グリーンプリントの価格設定方法に関する議論

グリーン印刷の実施は印刷業界における大きな潮流となっており、印刷企業はグリーン印刷の社会的責任と環境への意義を重視すると同時に、それに伴うコストの変化も考慮する必要があります。グリーン印刷を実施する過程で、印刷会社は環境に優しい新たな原材料や補助材料の購入、新しい設備の導入、生産プロセスや生産環境の変革など、多くの新たな投入を行う必要があるため、生産コストは通常​​の印刷よりも高くなることがよくあります。これは印刷企業、委託印刷部門、そして消費者の直接的な利益に関わるため、グリーン印刷の実践過程においてどのように合理的な料金設定を行うかが重要な研究課題となっています。

このため、国や地方自治体は、印刷企業によるグリーン印刷の推進を奨励するため、補助金やインセンティブといった形でグリーン印刷に関する政策を打ち出しています。北京市印刷協会も業界の専門家を積極的に組織し、グリーン印刷への補助金基準の策定と研究を進めています。本稿では、グリーン印刷の価格設定範囲と参考となる計算式について詳細に解説し、グリーン印刷価格の合理的な策定に役立つことを期待しています。

1. グリーンプリントの価格範囲の明確化

グリーン印刷の価格範囲を明確にすることは、出版印刷企業の高品質な発展を促進し、階層管理を評価する上で重要な意義を持っています。

1) 回収可能なグリーンインプットには価格が付けられません。廃ガスの集中リサイクルが再利用可能である場合、その収益は一定期間後に環境保護処理装置への投資を相殺できます。一部の印刷会社は、処理装置への投資と回収を第三者企業に委託し、クローズドループ方式で処理しています。印刷会社がバリューストリームのサイクルに介入することはないため、当然ながら印刷価格には反映されません。

2) グリーンインプットはリサイクル価格設定の対象ではありません。グリーン印刷に関する研修制度の制定、認証・審査費用、グリーン印刷版、インク、湿し水、洗車用水、ラミネート・接着剤などの調達費用、その他オーバーフロー費用などは、回収サイクルからリサイクルできず、正確に、あるいは概算で算出することしかできず、グリーン印刷の外部委託業者や個人に課せられます。

2. 請求対象項目の正確な測定

価格設定対象項目は通常、既存の価格設定項目であり、環境効果は印刷物に反映されるか、検証可能です。印刷会社は発注者にグリーンプレミアムを請求することができ、また、発注者を利用して印刷物の販売価格を引き上げることも可能です。

1) 紙

紙は、森林認証紙と一般紙の差を測る必要があります。例えば、森林認証紙の価格が 600 元 / 注文で、同じ種類の非認証紙の価格が 500 元 / 注文の場合、両者の差は 100 元 / 注文となり、印刷枚数の増加額は 100 元 / 注文÷1000 = 0.10 元 / 印刷枚に相当します。

2) CTPプレート

グリーンプレート1枚あたりの価格上昇は、グリーンプレートと一般プレートの単価差によるものです。例えば、グリーンプレートの単価が40元/㎡、一般プレートの単価が30元/㎡の場合、その差は1㎡あたり10元です。フォリオ版で計算すると、面積は0.787㎡×1.092㎡÷2≒43㎡となり、1㎡の43%に相当します。したがって、フォリオ版グリーンプレート1枚あたりの価格上昇は、10元×43%=4.3元/フォリオとなります。

地域によって印刷枚数が異なるため、5000枚で計算すると、1フォリオあたりのグリーンCTP版の値上げ幅は4.3÷5000=0.00086元、1フォリオあたりのグリーンCTP版の値上げ幅は0.00086×2=0.00172元となります。

3) インク

印刷にグリーンインクを使用する場合、1,000枚あたり価格上昇の計算式は、グリーンインク1,000枚あたり=1,000枚あたりのインク量×(環境対応インク単価-一般インク単価)となります。

この黒インク印刷テキストを例に挙げると、1ページあたりの印刷インク使用量が0.15kg、大豆インク価格が30元/kg、一般インク価格が20元/kgと仮定すると、大豆インク印刷の使用による1ページあたりの印刷価格上昇の計算方法は次のとおりです。

0.15 × (30-20) = 1.5元 / 1000ページ = 0.0015元 / 1ページ = 0.003元 /枚

4) ラミネート用接着剤

ラミネートに環境に優しい接着剤を採用し、開口部1組あたりのグリーンラミネート価格を計算する式

グリーンラミネート単価(開口部1組あたり)=接着剤使用量(開口部1組あたり)×(環境配慮型接着剤単価-一般接着剤単価)

開口部1組あたりの接着剤使用量が7g/m2×43%≒3g/開口部1組の場合、環境保護用接着剤の価格は30元/kg、一般用接着剤の価格は22元/kgなので、グリーンラミネート1組あたりの価格上昇は3×(30-22)/1000=0.024元となります。

5) ホットメルト接着剤の結合

環境に優しい接着剤製本ホットメルト接着剤の使用、印刷ごとにグリーン接着剤製本料金マークアップ式

グリーン接着剤製本料金(印刷1枚あたり)=ホットメルト接着剤使用量(印刷1枚あたり)×(グリーンホットメルト接着剤単価-一般ホットメルト接着剤単価)

この式はEVAホットメルト接着剤とPURホットメルト接着剤の両方にのみ適用されることに注意してください。その使用量はEVAホットメルト接着剤の約1/2に過ぎないため、上記の式を次のように修正する必要があります。

PURホットメルト接着剤1枚あたりの発注料金 = PURホットメルト接着剤1枚あたりの使用量 × 単価 - 一般的なホットメルト接着剤1枚あたりの使用量 × 単価

PURホットメルト接着剤の単価が63元/kg、使用量が0.3g/印刷の場合、EVAホットメルト接着剤は20元/kg、使用量が0.8g/印刷の場合、0.3×63/1000-0.8×20/1000 = 0.0029元/印刷となり、PURホットメルト接着剤の発注量は0.0029元/印刷となります。

3. 請求対象として測定できない部分

認証審査費用、グリーンシステムの構築、新規採用、管理者研修費用など、価格設定では測定できない項目、無害化・低有害化対策のプロセス、三大廃棄物管理の完了など。提案のこの部分は、上記のマークアップの合計額の一定割合(例えば10%など)をコストに上乗せするものです。

上記のデータ例はあくまでも架空のものであり、参考値としてのみ使用してください。実際の測定では、印刷規格に記載されているデータを参照/選択する必要があります。規格に記載されていないデータについては、実測を行い、業界標準、つまり平均的な印刷会社で達成可能なデータを使用してください。

4. その他のプログラム

北京印刷協会によるグリーン印刷の価格設定作業は比較的初期に実施され、当時は用紙、製版、インク、そして接着用のホットメルト接着剤のみが測定対象でした。現在では、湿し水や洗車用水といった一部の項目も既存の価格設定項目に間接的に組み入れられるようになっているようです。特に、印刷枚数1,000枚あたり(一部の印刷企業では、1日あたり機械1台あたり20~30kgの洗車用水を使用しています)の印刷コストを算出し、以下の計算式で印刷コストの保険料データを算出することができます。

1) 環境に優しい噴水液の使用

1,000枚あたり価格上昇額=1,000枚あたり金額×(環境対応型湿し水単価-一般型湿し水単価)

2) 環境に優しい洗車水の使用

1枚あたりの価格上昇額=1枚あたりの使用量×(エコ洗車水の単価-一般洗車水の単価)


投稿日時: 2023年8月25日

ニュースレターを購読する

当社の製品や価格表に関するお問い合わせは、メールでご連絡ください。24 時間以内にご連絡させていただきます。

私たちに従ってください

ソーシャルメディアで
  • フェイスブック
  • SNS03
  • SNS02